相続や施設入居からの実家売却

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相続や施設入居からの実家売却

あけましておめでとうございます。
幸多き新春をお迎えのこととお慶び申しあげます。

お正月に飾られる鏡もちが2つ重なっているのには、
「1年をめでたく重ねる」という意味もあるとか。

新たに重ねる年もまた明るい1年となりますよう、
一層のご多幸をお祈りいたします。

2020年は1年の始まりだけではなく、
20年代、10年の始まりということで、
今後の展望を紹介するテレビ、雑誌が多く目につきました。

問題点を報じるという特性から、
メディアでも、上記の注目記事でも、
注意喚起、問題提議、警告をする内容が多くなります。

私自身が昨年に体験した実家の売却をご紹介します。
高齢化社会が進行するなか、ご参考にいただければ幸いです。

■母がケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅へ入居

認知症、かつ、身体的な問題から、実家での一人暮らしが厳しくなり、
まず、ケアハウスに入居し、その後、サービス付き高齢者向け住宅へ移りました。

当初、費用面からケアハウスでの生活を始めましたが、
認知症などの介護、サポート的にケアハウスでの生活は難しく、
サービス付き高齢者向け住宅へ二度目の転居です。

自営業の妻であり、その後、母子家庭であった母の年金は、
月5万円程度しかなく、なるべく費用を抑える必要がありました。

ケアハウスなら、月10万円と少々でしたが、
サービス付き高齢者向け住宅だと月20万円を超過します。

当然、毎月の赤字を補填していくわけですが、
これがいつまでもつのか不安です。

■実家の売却

母が施設へ住み替えたため空き家となった実家を売却しました。
その際に利用した制度が「家族信託」です。

家族信託とは、資産の管理や処分などを家族に任せるということです。
委任による代理ともスタンスは同じですが、
その都度、意思の確認や書面が必要となるの代理とは違い、
事前に手続きを完了させ、実務では意思確認や手続きが必要なくなります。

初期段階の認知症でしたが、
タイミングにより症状が異なることから、
スムーズ(トラブルなく)な取引に懸念があり、
家族信託の制度を利用しました。

実家は典型的な昭和期の郊外住宅地に所在します。
建物もリフォームをしているとはいえ、
昭和54年築の旧耐震住宅のため売地での売却でした。

1,000万円にも満たなかったですが、
この自宅の売却代金が施設での赤字補填に回せます。

自宅は年金代わりという不動産営業の鉄板トークの通りです。
なお、売れる(貸せる)ことが前提ですので、
購入時には売れるか貸せるかという出口戦略が重要です。

■相続案件の売却

実家の場合、亡くなる前(施設への住み替え)の売却でしたが、
業務では、相続後の売却案件が多い1年でした。

多くのケースでは住宅ローンの返済も完了しており、
売却代金から返済へ回すことはございませんでした。

しかし、売却までの諸経費がとても高額になったことが印象的です。

・家財の処分費用

売地にしろ、戸建てにしろ、売却する際に、
建物の中にある家財は撤去しなければなりません。

私の実家でも戸建てから施設(ワンルーム)への引越しでは、
ほとんどの荷物が不要となり、大量の家財が実家に残りました。

実家のケースでは、戸建てに母一人暮らしの家財処分で27万円、
これもリサイクル業者に買い取ってもらえるものは事前に処分し、
荷物を減らしたあとであったことから安くなりました。
お客様のケースでは、平均40~50万円になりました。

・測量費用

昭和期(平成初期)に購入した戸建ての場合、
土地の測量が実施されていないか、古い測量方法(目安は座標の有無)か、
境界が見当たらないか、存在していない場合、
改めて土地の測量(境界確認)が必要となります。

実家のケースでは公社の区画整理事業地であったため、
約30万円程度で済みましたが、一般的には40~50万円程度になることもございます。

・登記費用

相続案件の場合、被相続人(親)の名義から、
相続人(子)の名義へと所有権移転登記が必要となります。
(実家のように家族信託でも同様に信託登記が必要です。)

相続登記の場合、相続人の確定をするため、
親や子どもの戸籍などを取り寄せる必要がございます。

厄介なのは、出生まで遡るため、
親の親(祖父母)の戸籍(親が生まれたときは親の戸籍のため)も必要となり、
私の父の場合、戦争を経ているため、疎開先(青森県内を転々)まで行くことになりました。
(船橋市、北区、弘前市、南津軽郡大鰐町まで出向きました)

私の場合、勉強のために自ら動きましたが、
一般的にはこのような書類の取り揃えを司法書士へ依頼します。

このようなことを合わせて登記費用が必要です。

・譲渡所得税

親が生存中に、自宅として利用した直後に売却している場合、
不動産売却に伴う譲渡所得には特別控除があるため、
ほとんど(特に千葉県では)のケースで譲渡所得税は発生しません。

しかし、親が亡くなったあとに、相続で取得した不動産を売却した場合、
譲渡所得がプラスとなった際には譲渡所得税が発生します。

被相続人(親)が、購入時の契約書や領収書を保管してあり、
かつ、売却代金を上回っている(減価償却後)場合、
譲渡所得税は発生しませんが、
多くのお宅で、書類は紛失しており見つからないため、
譲渡所得税が発生したケースもございました。

以上が主な費用です。

この他に、通常での売却と同じく、
仲介手数料、印紙税などの諸経費が必要となります。

2025年、団塊の世代が後期高齢者(75歳)になります。
今後、昨年、私が経験したようなケースがますます増加し、
比例して、相続案件からの売却数も増加します。

相続発生後の売却、施設入居に伴う売却など、
それぞれのタイミングで、どのような選択がベストか、
ご家族や不動産の状況で個々に判断は変わります。

お正月早々の話題ではないと思いますが、
今後のためにもお考えになってみてはいかがでしょうか。

柴田 誠

柴田 誠代表取締役

投稿者プロフィール

子ども二人の教育費に頭を抱えながら、小さな不動産会社を経営しております。千葉県の高校野球をこよなく愛する元高校球児。小さなお出かけ、温泉、街めぐりを好むも時間とお金に余裕がなく最近は控えめです。

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