金利上昇リスクと固定期間
- 2016/4/20
- 住宅ローン
金利上昇リスクと固定期間(06.04.16)
毎日のように相談を受けている中で、ここ最近多いのは、 やはりこれからの金利上昇がどうなるかということです。
ずばり「これから金利がどの程度まで上がりますか?」 という質問も多いのですが、 これにはさすがに「分かりません」としかお答えできません。
私が相談を受けてできるのは、金利が上昇した時にどうなるか、 金利上昇を考えてどのように住宅ローンを組めば良いのかという、 対策案をお出しするまでです。
金利上昇局面では長期固定を採用するというのは当然の答えですが、 私としては、最初から長期固定ありきではなく、 借りる方の状況や意識を考慮した上でシミュレーションをし、選択頂きます。
まず金利という社会情勢からではなく、大切なのは、 借りる方自身がどういう状況(今後も含め)であり、 どういう考えを持っているかです。
例えば、金利を気にするのを嫌がる方や浪費型の方には、 中期から長期にかけてのローンを組み入れた安定型をお勧めしています。 逆に、いろいろな努力と工夫にて負担を軽くする意欲があり、 性格や行動などから貯蓄型と思える方には、 短期タイプを組み入れた低金利型をお勧めすることもあります。
モデルとして下記のようにシミュレーションをしてみました。
前提:4年目1%上昇、7年目1%上昇、以降上昇なし
3年ごとに100万円繰上返済、2,000万円借入、
当初35年→実際の返済期間21年
1.35年固定2.98%:毎月76,746円
返済総額:27,410,889円
2.当初3年 1.70%:毎月63,215円
4~6年目2.70%:毎月72,828円
7年目以降3.70%:毎月81,598円
返済総額:27,077,697円
いかがでしたか?
このモデルは積極的に繰上返済をできる余裕と意識があるケースですが、 短期固定でも良い結果を得られることもあることがお分かりいただけたでしょうか。
なお、このケースで単純に、長期固定が悪いというわけでもなく、 短期固定が良いというのではありません。 金利上昇局面だからと単純に長期固定を選ぶのではなく、 どの組み方が自分にとって良いのだろうということを検証するのが大事ということです。
もし、もっともっと金利上昇があるかもとか、生活に余裕がなく (そもそも住宅ローンを組んでいいのかの問題ですが)繰上返済ができないとか、 ケースによっては逆の結果が出ることもあります。
また、短期固定を選んだ場合、金利が上昇したら返済できなくなると 言う方もいらっしゃいますが、上記の例を見ていかがですか? もし、金利が2%上昇し5,000円の返済額増加に家計が耐えられないなら、 そもそも住まいの購入が間違っているのかもしれません。
よくお考えになって、どの住宅ローンが良いのか、さらに、 どのくらいの金額まで借りても良いのか、ご検討してみて下さい。
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